
遠い、遠い君の姿。
追い掛けても届かないこの声、この腕。
でも、何の迷いもなく、ただ信じていた。
想う気持ちは一緒だと、歩む道は同じだと …
前奏曲
「はぁ…」
入学式も終わり、新学期が始まって早一ヶ月が過ぎた。
「どうしたのよ兄さん…元気ないみたいね?」
「へ?あ、うぅん?そんなことないよぉ?僕の事を心配してくれるなんて、
明日香はなんてお兄ちゃん想いなんだろうねぇvv」
「……そうね、元気みたいね、いつも通り。」
心配そうに僕を見つめていた明日香の瞳は、途端にいつもの少し厳しそうなつり目に戻った。
「それじゃあね、兄さん。アイドル科なんてやめて、いつでも普通科に戻って来てね。」
「明日香もアイドル科に来たくなったらいつでもおいで。
そして一緒にスターへの道を「絶ッ対に歩みませんッ!」
そう叫び返すと、明日香は踵を返して去っていった。
「むぅ…お兄ちゃんと一緒に組むのが嫌なのかなぁ……そうか、反抗期なのかな。」
一人で勝手に納得をして、目の前に置かれた昼食に手を出す。
食べながら、昼休みはどこに行こうか考えていたその時。
「吹雪さ んッ!」
「はぁい?あ、十代くんに万丈目くんと翔くん。」
「今夜、カイザーの決闘がテレビでやるんですよッ!」
「しかも対戦相手は、今年入学したあのエド・フェニックスらしいんです!」
「師匠、是非我が万丈目ルームで皆と一緒に観戦しませんか?」
「良いねぇ、行かせてもらおうかな〜vvv」
「7時からですからね!」
「よしッ、次は三沢だ―!」
三人は言いたい事を言い尽くすと、すぐに走り去って行った。
「……元気だなぁ…」
苦笑しながらそう呟いた。昼食を完食した後は、部屋に帰って休む。
「ハァ……」
ベッドに寝転んで目をつむる。
「…亮、君がいなくなっても、ここには何の影響も無いよ…」
それが悲しくて、切なくて。
「君が居なかったら僕は駄目だと、思ってたんだけどね……」
思った以上にダメージが少ないのは、皆が居てくれるからかもしれない、けれど。
「君のぬくもりが、君の心が、少しずつ遠くへ離れていってしまうようで、正直…」
怖いんだよ……
「亮…僕は―……」
* * *
パチッ
目を開けたら、見慣れた天井。
…どうやら眠ってしまったらしい。目をこすりながら起き上がる。
「あれ?」
……濡れてる…泣いちゃうような、夢でも見たかなぁ?…覚えてないけど。
「ってあぁッ?!もう6時40分じゃんか!どうしよ7時からだったよね…」
とりあえず、パソコンにて亮の決闘を録画予約。
「さてと…もう50分…間に合うかなぁ…」
笑みを零してそう呟きながら、吹雪は部屋を後にした。
絶望を、悔悟の念を、抱くことになるとも知らずに。
エド・フェニックスとの決闘。そう、それはきっと……
ヘルカイザーへの、前奏曲。
あとがきという名の懺悔
まだまだ続きます。
一冊のノート(50ページくらい)の半分をこの話で埋め尽くしました(笑)
自分でも驚きの長さです、自画自賛してます、でもまだ書き終わってないんです。
もう好い加減に終わらないと、つぅか終わらせないと、と思っております。
ものすごく長くなるので、時間があるときにでも読んでやってくださいませ。
ではでは。