「吹雪・・・」

視界が湯気で白い。バスタブに浸かる俺の身体は、弛緩しきって動かない。
精神的にも肉体的にもボロボロになったこの身体は、いつまで保つのだろうか。
せめて。せめて、もう一度だけでも会いたかったなと、感傷に浸る。

『亮、ねぇ亮、僕はね。』

どこまでも能天気で明るくて、自分とは対照的で。
いや、むしろだからこそ魅かれたのかもしれないけれど。

『僕は、亮のことが大好きだよ。だから。』

親友と言ってくれたことも、好きだと、言ってくれたことも。
全部全部、孤独だった俺に光をくれた。

『だから、ねぇ。僕と一緒に。』

いつまでもと、仮初の永遠を願ってくれた友はここにはいない。
暗い闇の中、地下奥深くで俺がやっていることを、お前は知らないのだろう。

『大丈夫、もう一人にはさせないから。』

嘘。嘘。嘘。あぁなんて。優しい、嘘。
闇を抜け出しても変わらず明るいままのお前に、ひどく焦がれていた。
差し伸べられた手を取らずに堕ちるだけ堕ちたのは俺の方だ。



目を伏せた。結局のところ、俺は孤独なのだという事を、思い知らされて。
お前のいる明るい世界は、今の俺には届かない。
絶望の淵、夢に見たお前はいつもの笑顔で俺に笑いかけて。










[hell(地獄のような常闇の中で、遠い光を想う)]