『執事と奏様』 

 

白鳥 奏(しらとり かなで):男(15)白鳥コーポレーションの御曹司で次期跡継ぎ。

                 甘やかされた環境で育った為、かなりの甘えん坊。

                 執事兼秘書の加賀とは秘密の恋人同士。かなりの天然。

 加賀 亮(かが りょう):男(25)奏の執事兼秘書。

               9年前に白鳥コーポレーション会長である奏の祖父に拾われ

               奏の世話係として同居を始める。元ヤン

白鳥 奏(受):

加賀 亮(攻):

ナレ(男/女):

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ナレ:世界的に有名な大企業白鳥コーポレーション。

    会長である祖父の孫、奏が主人公。

    両親は既に他界しており、唯一の跡取りの奏を溺愛している。

    奏の為に奏の学校を作ったりと、かなりの馬鹿祖父ぶりを発揮している。

    そんな時、家族もなくお金もない不良の加賀と出会った祖父は加賀を気に入り、

    加賀を当時6歳だった奏の執事として奏の家の住ませる事にした。

    それから9年。

    加賀と奏はようやく恋人同士になるが……―――。

    そこから物語は始まる。

 

■白鳥家・プール■

 

奏:ねぇ加賀っ

   僕…、最近身体が燃えるように熱いんだけど…。

加賀:――………は?

 

ナレ:ここは、世界的な大富豪、白鳥コーポレーションのおぼっちゃま奏様のお屋敷。

    奏様は幼い頃両親を亡くして以来、この屋敷で加賀を含む数人の使用人と共に暮している。

    そして周囲の者には隠しているが、加賀と奏様は……

    一応恋人同士でもあるのだ。

 

奏:だからね。

  身体が熱くって『むずむず』する感じなんだ〜…。

加賀:『むずむず』……ですか?

奏:おかしい!? 僕病気なのかなぁ…?

加賀:え!?いや…

    奏様の年頃には、よくある事ですよ。

奏:ちゃんと…治る?

加賀:治すというか…鎮めるもの…ですかね…?

奏:どうやって!?ねぇ、教えて!!

   だって…、このままじゃ夜もねぐるしくて眠れないし。

加賀:では今夜お部屋へうかがいます。

    奏様が眠るまで、本でも読んでさしあげましょう。

 

ナレ:見てのとおり、恋人同士といっても二人の関係はまだまだ清らかで名ばかりのもの。

    加賀は持て余す気持ちを抑えつつ、奏の部屋へと続く廊下を歩いていた。

 

■夜・白鳥家廊下■

加賀M:ふぅ…。

      欲求不満なら俺の方が深刻だと思うが…いったいどうしたものか…。

      なんだかんだで中々手が出せず数ヶ月…。

      未遂アリ…とはいえ。

      あの幼さでは本当に思うようにいかない……。

加賀:奏様、入りますよ。

    …………ッ!!!!

ナレ:奏の部屋の扉を開けた瞬間、加賀は言葉を失った。

   待っていたのは裸で布団に横たわる奏の姿だった。

 

 

■夜・白鳥家奏の部屋■

 

 

奏:加賀…。

  よかった、待ってたよ。

加賀:……か…、奏様ッ!!!!

    なんで裸なんです!!

奏:え?

  だって身体を診てくれるんじゃないの?

加賀:し…診察なんてしませんよ!

    本を読みにきただけで…。

奏:そうなの?

   じゃぁ、僕どうしたらいいの?

加賀M:そ……。そんな熱いまなざしで問われてもっ…。

      俺こそ、どうすればいいのか……

 加賀:む…、むずむずの解消といったら、簡単なことですが……。

     ひとりで解消するのが一番簡単ですかね…?ハハハ……

奏:そうなの?

  それって……僕にもできる?

加賀:え…?

奏:僕には無理なら……

  加賀が『して』…??

加賀M:おち……、おちつけ…!これは…。これは違う!!

      これは正しい『して』じゃない!!

      欲求不満を解消『して』だ。

      行為はほぼ同じかもしれないが……

加賀:か…奏様。

    お教えしますから一人でやってみませんか…?

加賀M:俺が望むのは。

      俺が毎夜夢にみるのは。

      そういうことじゃなくて…。

 

ナレ:二人は奏の広いベットに腰掛けると、奏を後ろからだきしめるように、手を重ね合わせる。

 

奏:ぁっ……ッ。

加賀:奏様……。

    ちゃんとしっかり…自分で触って下さい。

奏:……やっ…ダメ……んん

  ダメ……だめっ…

  力が抜けてっ……ダメ…ッ

  加賀ぁ……ん、加賀がして……ッ

  早く……っシテ……ッ

加賀M:俺が望むのは……

加賀:奏様……

加賀M:こんなふうに触れ合うだけじゃなくて…

ナレ:加賀は奏の身体をきつく抱きしめるとベットへと押し倒す。

奏:……!?

加賀:奏様は、『して』くれるなら……

    身体が楽になるなら、誰でも、なんでもいいんですか?

奏:…え…?

加賀M:快楽と。

       放熱だけを求め合うのではなくて。

奏:ぁ…ッ………あ……ンッ

  ぁ……っ…あ……加賀……ッ

加賀M:欲しいのは気持ち。

奏:……ぁぁっ……ッ…――――――

加賀M:一緒に心を確かめあいたい。

加賀:……奏様。これで楽になりましたか?

ナレ:達した後の奏は身体をふるふると震わせながら加賀の顔を潤んだ瞳で見つめる。

奏:(呼吸荒く)……か……の……

加賀M:感じあいたい…のに。

奏:………

  加賀……僕…。

  僕、まだ変…なの。身体が……ッ

  身体の奥がまだドキドキしてる……っ

加賀:…………も…、申し訳ありませんがっ…

    あとは自分でがんばって下さい…!

    これ以上は私もさすがに、我慢が…ききませんので!

奏:加賀!!

 

ナレ:加賀は奏をそのまま部屋に残し、部屋を飛び出した。

    そしてそのままプールサイドまで行くと勢いよくプールへと飛び込んだ。

 

■白鳥家・プール■

 

加賀M:ああ…、最低だ。最悪だ。

      逃げ出してしまった…。

      奏様は、欲情処理ができるなら誰でもいいのかもしれない。

      それなら私はなんなんだろう。

     恋人なんて本当に名ばかりで…。

 

ナレ:その時、背後の扉が開く音に加賀は静かに振り返る。

   その先に居るのは、泣きながらプールサイドに座る奏の姿であった。

   暗いプールの中、気づいて居ないのか奏は一人ごとを呟いていた。

 奏:…おとうさま…、…おかあさま。

   どうしよう。僕は病気みたい。

   もうすぐ死んでしまうかも。

加賀M:奏様…?

奏:だって、加賀があきらめてしまったもの。

  僕…自分でちゃんと治せない…し。

加賀M:?

奏:それに、加賀に診てもらったらもっと身体が熱くなって……。

   加賀がいなくなったら…。

   今度はとても胸が苦しいの。

奏M:体が。

     心が熱くてむずむずするの。

     これはいったいなんの病?

加賀:奏様…。

奏:………

加賀:一緒に入りませんか?

    実は私も、身体が熱くて大変なんです。

ナレ:そっと奏の手を握り、夜の少し冷えた水の中へと奏を導く。

    そのままプールサイドに身体を預け、水の中でも熱を感じる奏の白い背中に唇を寄せる。

加賀M:一緒に確かめあおう。この熱がなんなのか。

奏:ぁ…ッ……

加賀M:どうしてこんなに熱くなるのか。

奏:んっ………っ

  あっ……ァ…んっ……

  や……ッ

加賀:奏様…。

    本当に中がすごく熱い………。

奏:あっ……ぁ…か……がっ……

   ぁ……ンぁっ……

加賀M:身体の奥にある気持ちを知りたい。

      感じあいたい。

奏:……あっ……か…がっ……

  ひぁ……っ……アっ……

加賀:……っ…

    奏様………っ…

奏:……か……がっ………

  加賀も熱くて……ッ…

  ドキドキしてる……

  あぁ……っ…あ……っっっっ…――――

 

加賀M:熱いまなざしと、燃える体温にフラフラになる…

      そんな夢を、そんな世界を…、俺は。

      もうずっと、初めて出会ったときから望んでいた。

 

ナレ:エピーローグ

 

加賀:どうです?

    今度こそ私の気持ちはわかっていただけましたか?

奏:ん……

  んーと、なんとなく?

加賀:俺はッ!

   もうずーーーーーーーーーーっと

   奏様を愛してきたということです!!

奏:うん。

  でも僕もずっと加賀を好きだったよ。

加賀M:こんな気持ちは、言葉にすると何故かうまくは伝わらないのだ。

       でも、きっと今日からは…

加賀:身体の調子はどうですか?

加賀M:その潤んだまなざしを見るだけで。

奏:とってもいいよ!

  またしようね?

加賀M:思い出せる情熱があるはずだから。

 

 END