fantasia

聖なる夜に君と




雪が降ってきた。


クリスマスローズが咲き乱れていた。

ヨーロッパ生まれ、金鳳花がルーツの
白く清楚なその花達は、魔法のように
この冬の寒空をものともせず、力強く息づいていた。


彼女は突然泣き出した。
そして僕に全身で抱きついてきた。



一人目の男性は、いつも側にいると言った。

二人目の男性は、ありのままの君を認めると言った。



雪そして風がさらに強くなってきた。

僕は言った。
いや、無言で泣いた。君の悲しみと一緒に泣いた。
君と一緒に泣きたかった。



ここが世界でたったひとつの場所。
優しい気持ちになれる場所。

笑顔、涙、真心、誠意たちが降り積もった雪の上に鏤められていた。

火照った頬に降りかかる雪が、とても心地良かった。



二人が交わした言葉があった。
「僕たちがもう会えないってことあるのかな」

彼女は言った。
「考えられないわ」




君へのプレゼントを買った。
何の変哲もないプラチナのリングだった。
ただ僕の気持ちは最高潮だった。



二人がたまらなく泊まりたかった都市に抱かれたホテル。


君を待っていた。
クリスマスローズのように力強く生きたかった。

突然、視界が強い照明を投げかけられたように煌いた。

白く澄んだ光が僕のすべてをおおいつくした。

彼女だった。



「The Christmas Song」



後ろには果てしない青い空と、広大な森が広がっていた。
蜃気楼のように遠い光景を見ているのか。

とにかく僕は彼女に向かって走った。

いつも元気じゃなくていいよ。
きっと僕が元気にしてあげるから。

雪が降っていた。




そして、静謐な温もりをもった
オーベルジュは二人を優しく包みこんでいった。(sou)



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