【過去に使用していた双眼鏡たち】
HUET 8x40 11°(フランス海軍)

見掛視界88°(=8倍×実視界11°)もある超広角のすごい双眼鏡だ。

ポロプリズム使用の超広角双眼鏡としては Zeiss Jena Deltarem 8x40 11.2°(見掛視界90°)があるが、HUNT 8x40 はダハプリズム使用の超広角双眼鏡だ。

アイレリーフは12mmと長くはないのでメガネを掛けたままの使用は困難である。

裸眼でもかなり目をアイカップに押し付けないと全視野は見渡しにくいので、双眼鏡好きは今のところアイカップを外して観望している。

こうすると、見掛視界88°の超広角が生きてくる。

覗いてみると、…す、すごい、すごすぎる広大な視界だ!

目の前いっぱいに巨大な丸い輪が広がる。

レチクルが右側に入っているが、視野中心から50%の位置より上にあるためか、殆ど目障りな印象を受けない。

HUETの眼レンズの直径を計ってみると、何と25mmもあった。

超広角にもかかわらず覗きやすいのは、このためだろうか。

試しにニコン 10x70 Ⅰ型 の眼レンズ直径を計ってみると27mmあったが、これは例外で他の双眼鏡と比較すると飛び抜けて眼レンズが大きく、望遠鏡のアイピースなみの大きさである。

色彩は思いのほか黄色く、カールツァイス 8x56 T* FL など最新の光学系と比較すると不自然な感じは否めない。

色彩が黄色いのは、軍事目的に製造されたためだろうか?

良像範囲は視野中心から40~50%程度まではピントが合っており、良く収差が抑えられていて優秀な印象を受ける。

さらに、視野中心から80%くらいまでは他の高級双眼鏡とさほど変わらない像の崩れ方で好印象だ。

しかし、視野中心から80%を超えると極端に像がボケはじめ、糸巻型の歪曲収差も現われてくる。

歪曲の度合いは ナグラータイプ4 22mm と同程度という感じである。

レンズはモノコートのようで、夜間、外灯など明るいものを見ると視野が白っぽくなり見づらくなる。

重さは、量ってみると1,540g(うちアイカップは2個で40g)あり、結構ズッシリしている。

この双眼鏡は、眼レンズを含む接眼部側を回してピントを調整するが、これがことのほか重く、手で回すことは殆ど不可能な状態だ。

なぜ、このようにピントを変えることを拒絶するような構造にしたのか理解に苦しむ。

ピントの調整は困難を極めるが、被写界深度が思いのほか深い(カールツァイス 7x42 B/GA T*P* ClassiC と同程度)ため、一度合わせてしまえば、そうそう変えなくても済むのがせめてもの救いだ。

総体的には、とても満足度の高い双眼鏡である。

ただ、既に過去の双眼鏡であり、欲しいと思っても簡単に手にすることが出来ないのが非常に残念だ。

どこかのメーカーで、このようなプリズムのみによるグレードの高い超広角双眼鏡を是非とも作っていただきたいものである。


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