禁断キスデジIRフィルター除去改造

 

 

         

 

 

このページを読むと改造の魔力にとりつかれます。

大変に危険ですので、これ以上読まないことをお勧めします。

敢て読まれる方は、その魔力跳ね返す強い意志を持つことが必要です。

自信の無い方は、これ以上絶対読まないでください。

当方は、ここに書いた内容によってあなたが不利益を被っても、

一切の責任を負いません。

読まれたうえで改造を実行される方は、自己責任でお願いします。

勇気さえあれば明るい未来が開けることを期待して・・・

 

 

 

 

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 キスデジ開腹前夜

 

 

 

 私は、ローパスフィルターを取り外したデジ一眼を既に1台所有していました。

 これは4年ほど前に、キスデジのローパスフィルターを人為的に除去し、フロントフィ

ルターにLPS−P2等のフィルターを装着して天体を撮影した画像が紹介されて、衝撃

を受けたためです。その理屈に感動し、フィルムでは考えられなかった撮影手法に興味を

持ちました。早速、三ツ○にて改造を行い撮影をしてみました。

 撮影現場での驚きは言葉では言い表せないほど衝撃をうけました。Hα帯がこれほど明

瞭に、短時間露出で写し取れるとは・・・誰も想像しなかったことでしょう。

    大きなショックを受けました。銀塩ではとても考えられなかったことです。ただし、純

正のローパスフィルターを取り外していますので、その厚みの分だけ撮影レンズのバック

フォーカスに誤差が生じ、カメラレンズのAFではピントが合いません。(望遠鏡の直焦

では問題ありません。)それに、ローパスフィルターを外しただけでは、赤い波長のみな

らずほぼ全波長に対して敏感すぎるため誇張した色合いになります。

   レタッチソフトで調整してもバックグラウンドの色合いが不自然に表現されてしまいま

す。それでも、Hα帯の写りの良さでしばらく撮り続けました。

 1台はε160の直焦に、もう1台をカメラレンズで撮影したくなり、ヤフオクでAF

が効かない格安のジャンクを手に入れて、自己改造を試みました。

 以下は、その自己改造の手記です。勇気さえあれば誰にでもできる改造ですが、デジカ

メの対価に対する大きなリスクを背負い込むことへの決断が必要です。

 繰り返しますが、そのリスクを授業料と思える方だけ、次へお進みください。

ローパスフィルター摘出手術

執刀開始

 私は、未経験の執刀医です。手術は、家族が外出している日曜日の午前8時、手術時間

は3時間として、準備を始めました。手術室は大きなテーブルを使えるダイニング。使用

する器具は、

   @プラスの精密ドライバーAピンセットBカッターC半 田ゴテD千枚通しE外したビ

スを入れる容器F付箋(ビスの位置を記入するため)以上の簡単な道具で始めました。

 

執刀開始 

 1 キスデジの裏側にある隠しビスのシールを千枚通しで取り去りビスを外す。

   アイキャップも外す。

 

 2 カメラ底面の裏蓋にかかわるビスを3本外す。

 

 3 メモリー挿入口を開けてビスを2本外す。

 4 接続端子のゴムカバー内のビスを外す。

 5 これで裏蓋を開くことができる。

 6 裏蓋の内側にあるフレキシブルケーブル(以後フレキ)のコネクターのロックを解除

   して外す。非常に細い(1ミリほど)のでこげ茶色のロックを折らないように、精

   密ドライバーを使い優しく上へ跳ね上げて外す。

 

 7 裏蓋を本体から分離したところで、半田付けされている金属シールド板を外す。

           他の箇所はネジ止めされているので、それも外す。

 

 8 シールド板を外すと基板が現れる。中央左にまたもやシールド板が・・・これを外さないとフレキが外せ

   ない。3ヶ所の半田を溶かして取り去る。

 

 9 シールド板を外すと上部のフレキのコネクターが現れる。

 

10 見えている緑色の基板の下に、目指すCMOSが収まっている。関係するフレキのコネクターをすべて

   解除する。

   壊れ易いので、細心の注意をはらって作業を行う。これを折ったら終わりだ。

 

11 基板を止めているビスを外して裏返すと、いよいよ目指すCMOSを拝むことができる。

 

12 コネクターのロックを解除して、CMOSがついている基板を外す。

   この時、、、私はしくじってしまった!

   ロックの解除方法が、これまでのものとは違っていて、なかなか外れない。いろいろいじくっている時。

   その時。パチンとはじけるようにロックが外れた・・・というより壊れた・・・

   「折ってしまった!」と言う方が正しい。頭を抱えた。ここまで来ていながら・・・・。

   ここで進退を考えたが、「やるしかない!」と思い、さきへ進むことにした。

 

13 ローパスフィルターを枠ごと取り外したところ。下の画像の右側のヤツです。

   まだ、ローパスフィルターがくっついている。

   

 

   ローパスフィルターは黒色のシリコン?様の接着剤で枠に貼り付けられています。

   慎重にカッターナイフで筋を入れながら剥がしてゆく。無事に取り外せたら、後は分解した逆の順序で

   組み立てていくだけ。

   くれぐれも、フレキを折らない(断線させない)ように、コネクターを折らないように、慎重に作業を進める

   こと。組み上げを急ぐと失敗します。胆に命じておいてください。

 

15 観音様はお釈迦様になるのか?

   前述の12でCMOSがついている基板を外した際に壊したコネクターの処理を如何にしたものか。コネ

   クター側の端子にフレキの端子を下から上に圧着する構造となっている。しかるに端子同士を合わせ

   てその上からプラスチックや厚紙などを押し当てて接着する方法が取れない。それができるほどフレキ

   の長さが無い。困り果ててしまった。

   一週間後に名案が閃いた。(悲しくも一週間考え続けていた。)その方策とは・・・・

   「両面テープ」である。まず、端子部分にかからないように両面テープを貼り、所定の端子同士の位置

   を決めて貼り付ける。その上から、両面テープを貼り付けた1mmほどの厚紙を端子幅に切ったものを

   貼る。この時点で、端子同士の接合がずれていたらダメである。よければ、その上にまた厚紙を貼り

   付けて、周囲に固定する。

   接着剤を使用しなかったのは、コネクターの材質がわからないし、端子部分に付いた時に接触不良を

   起こしかねないからだ。それほど、端子間が細かい。

   とりあえず組み立てて、成果を見ることにした。

   数枚の試写をした直後、液晶面に画像が映らなくなった。がっかりだ。

 

   青い部分は除去したローパスフィルターをレンズ前にかざしている。除去前後の写り方が良く解る。ご

   覧のようにローパスフィルターを外すと、全体が赤くなりカラーバランスが狂うため一般写真は撮れな

   いカメラになる。「天体写真用に特化した」といえば聞こえが良いが普通のカメラではなくなってしまう。

 

16 観音様はお釈迦様になった!

   コネクターの接続が甘かった。一旦は再生できたのだ。再度、分解を始めた。順調にCMOSに到達。

   接続をやり直した。組み上げる途中、1枚目の基板の右上の2段重ねのフレキが硬く短いためコネクタ

   ーから外したりはめ込んだりの作業がし難い難所で・・・。やってしまった!

   あれほど注意して作業していたのに・・・。最後に来て・・・。修理結果を早く見たくて作業を急ぐあまり

   にムリな力を入れてしまった。コネクターが折れた!!!。

   なんてことだ。冷や汗をべっとりとかいた。

   気を取り直して、先ほどと同じように両面テープで修復を行って組み戻した。

   結果、今度はシャッターが切れない。やはり接続がうまくいっていない。精魂尽きて、作業を終えること

   にした。

   私の観音様はついにお釈迦様になってしまった。今は、安らかにお眠りになっております。しかし、い

   つか私の気力が蘇った暁には、再生手術を敢行して観音様に戻してさしあげるつもりです。

   観音様いやお釈迦様!貴重な体験をありがとう!私はあなたのおかげで成長できました。

   感謝します。

 

17 成功のポイント(私は成功できなかったが・・・)

   @  作業を絶対に急がない。

      誰しも一刻も早くローパスフィルターにお目にかかりたいものです。特に初めてこの作業に挑戦さ

      れる方で機械いじりに慣れている方でも奢らずに慎重に作業してください。

   A  コネクターを慎重に扱う。

      優しく、しかも構造上の作用を考えて力を加える。作用がわからなくなった時は、良く観察して落

      ち着いて取り扱う。ロック解除法が見つからない時は作業を中断した方が良い。

      適当は禁物!

   B  フレキを優しく扱う。

      特に1枚目の基板の右上のフレキ下のフレキ(2段重ねになっている)は短くて硬いので注意が

      必要。無理をするとコネクターを壊してしまう。

      CMOS基板のコネクターのロックは解除に自信がければ解除せずに、作業はやりにくいがつな

      げたままにすること。

   C  11の一番下の画像にあるローパスフィルターが取り付けられているベース板を外す時は、スケア

      リング調整のためのワッシャーをネジ穴から外したり落としてはいけない。

      修復が困難になる。内部に落としてしまうと、なかなか出てこない。私は2つ落としてしまったが、

      運良く2つとも回収できた。時間のロスと精神的プレッシャーに耐えねばならない。運が悪ければ

      一生取り戻せず、スケアリングが狂うし、カメラのなかで「カタカタ」と動くようになる。

 

18 御礼

ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

自分でもなかなかできない技術的・精神的体験ができたと思っております。

失敗こそしましたが、たいへんに勉強になりました。

失敗の数だけ人は学ぶ

失敗の数だけ人は進む

この手術後

飽きずに別のキスデジを手術台に載せました。

今度は、ローパスフィルターをHα線を透過する赤外カットフィルターに換装しました。

当のキスデジ君は

特に嫌がらず、おとなしく安静にしておりました。

結果は上々で経験がものを言った手術でした。

そのうちに、換装手術記を書きたいと思っておりますので

ご期待ください。