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自立にむけてつらつら・・・

 生後3ヶ月から除去食で育った息子も、めでたく23歳を迎えました。スポーツ好きの大学院生です。
息子は現在も、卵・牛乳の除去を続けています。自宅生なので昼・夜2食分の弁当持参。


 
 中学生の頃、つなぎ程度の卵を使った料理が食べられればと解除を試みたこともありましたが、学校行事や部活を体調不良になって休みたくないと思ったこともあり、解除を進めることがうまくできませんでした。今ほど解除に向けての方法が進められていなかったことも、理由のひとつです。
 高校生になって突然皮膚症状が悪化し、解除どころではなくなってしまいました。今は落ち着いてきましたが、まだアレルギー性の皮膚炎に悩まされています。
親としては、除去しているのに皮膚症状があることに、やるせない気持ちになってしまうこともありますが、本人は親よりも冷静に受け止めているようです。部活も受験も、かゆみや不快な症状の中でやりこなしてきました。

 中高は一貫校だったので、親が学校に理解を求めて説明してきましたが、大学生になってからは親の出る幕はすでになし。さまざまな場面に積極的に参加していく子どもに、親のほうが少しずつ慣らされて行っている感じです。不便なことや我慢することもたくさんあるとは思いますが、それよりも、自身の世界を広げていくことに精力的です。(残念ながら彼女はまだいない模様です)

 高校までの学校行事や合宿では、代替の冷凍食品を宿泊先に送って参加していた息子が「外国旅行に行く」と言い出して、「どうやって!」とびっくり。「ディープインバクトが凱旋門賞のためにフランスに行くので、観に行く。合わせてイタリアにも旅行したい。2週間近くになる。」外国だし、代替品なんか送れません。荷物の量にも限りがあるし・・・「どうするの。」私は不安で一杯になってしまいました。
しかしながら彼の決心は固く、どうしたら行けるかを考えることで話は進んでいきました。
 海外でどのようにやっていくのか、どんな感じになるのか。まずは家族でスペインに旅行することに一大決心しました。プランは全部子ども達2人が立て、現地の食事を食しました。スーパーに行って、「こんなものなら食べられるね。」と探したり、普段一緒に行動することもなくなっていただけに、よい機会となりました。今思えば、家族にとってとても思い出に残る、楽しい旅になりました。」

 何とかやって行けそうなことがわかり、かくして友達とのイタリア、フランス旅行が決行されました。安宿をインターネットで見つけ、プランも幹事役になって楽しみながら作っていました。フリーズドライの非常食用ごはん・常温でパウチになった魚のおつまみなども便利なアイテム。
 すっかり自信を得て、その後も中国・韓国・カンボジア・タイ・グアム・アメリカ合衆国、もちろん日本の旅行も・・・不便なこともあまり深く考えず、自分のアレルギーをさらりと公表して、切り抜けているようです。
「私は牛乳と卵のアレルギーがあります。この料理には牛乳・卵が入っていますか?」というカードを用意して見せ、食べられる物を選びました。息子いわく、このカードさえあれば乗り切れると、どこの国に行く時も、現地語のカードを用意しています。カンボジアの時が一番大変でしたが、ネットを駆使して翻訳会社を探し、親切な人が対応してくれて大感激しました。

入学当初は飲み会なども心配でした。食べられる物が無かったらどうするのか・・・。大学から家が近かったので、一旦家に帰って何か食べて、それから飲み会などということもありました。
そのうち、メニューの中から食べられる物を選ぶようになり、時には、あまり食べられる物が無い時もあるようですが、割り切って受け止めているのではないかと思います。
 選んで食べるためには、メニューから必要な情報が読み取れることは、とても大切です。いちいち尋ねなくても、原材料中のアレルゲンの有無が(どのような形で入っているか)が表示されているだけで、とても選びやすくなります。お店選びも大変楽になるのです。きちんとした表示がなされることは、切なる願いです。

 また最近は、牛乳・卵程度の除去の場合は、アレルギー対応をしてくれるお店も増えてきました。前もって連絡を入れれば、除去対応食を作ってくれます。大変ありがたいことです。
修学旅行の宿泊施設・ホテル・きちんとした料理店・旅館。中には合宿所も、一泊だけだったからか、全体の食事がアレルゲンを使わない料理だったこともあったようです。(ご機嫌でした)
旅行先でラーメンが食べたくなり、インターネットで情報を手に入れて電話で問い合わせて選んだり・・・。これらすべては、アレルギー表示が義務化になり、対応が進んだ賜物です。
社会全体が変わっていけば、食物アレルギーを持っていても、今よりずっと暮らしやすくなっていける・・・。そう思います。もちろん、良い治療方法が見つかってくれることも切望もしています。


 
 いずれは独り立ちしていく時がくるでしょう。どんな風に食べるものを確保し、日常生活をやっていくのでしょう。
 忙しい中で、自分で食べられる食材を集め料理をして仕事もして・・・心配しながら、それでも自立の時は来るのだろうと思います。頑張れ・・・と祈りつつ、方法を一緒に見出しながらやっていくんだろうなあ・・・・支えあえるパートナーの出現を願っています。

フラワーママ