月の引力が地震を誘発、日本の研究員ら米科学誌に発表

 将来発生が予想される東海地震や南海地震など沿岸の比較的浅いところで起こる地震は、月の引力の向きに合わせて増減する可能性が高いことが、防災科学技術研究所の田中佐千子特別研究員らと米カリフォルニア大ロサンゼルス校の研究でわかった。22日の米科学誌サイエンス電子版で発表される。月の引力は約12時間周期でピークを迎えるが、ピーク前後に地震が集中。地震を引き起こす断層に強い力が働けば働くほど、引力が引き金となり、誘発される地震の割合も増えていた。

 田中研究員らは、1977年から2000年までに起こったマグニチュード5・5以上の地震のうち、深さ40キロ・メートル以内で起こった、断層の上の面がずり上がる「逆断層」型の2027地震を解析。地震を引き起こす断層にかかった月の引力、海の満ち干による圧力などと、地震の起こりやすさを調べた。

 その結果、月の引力によって40ヘクト・パスカル(大気圧の約25分の1)以上の力が断層にかかっていた時に起きた255地震では、引力のピークの前後6時間に地震の7割が集中。かかる力が大きくなるほど、地震を誘発する割合が高くなっていることもわかった。

 月の引力によってかかる力は、地震を引き起こす力の1000分の1ほどだが、地形のひずみが十分にたまって地震が起こりやすくなっているときに、最後の引き金を引いて地震発生に至っている可能性が高いという。

 田中研究員は「大型地震の前には、ひずみがたまっている周辺の地域でも、月の引力によって地震が頻繁に誘発される可能性がある。そうした傾向などを詳細に分析して、予知などに役立てたい」と話している。
(読売新聞) - 10月22日6時55分更新
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