たこちゃんの地震予知情報検証・公開実験のページ 

2005.11.21(第1版)

たこちゃん式 「超」地震雲観測法
& たこちゃん式地震雲観測機の作り方



1 地震雲から「方向性」を知ることはできるか

地震雲から地震予知を行うときに、

「帯状・筋状の雲の指し示す方向」
「断層状の雲の断面の方向」
「波状雲の指し示す方向」
「竜巻雲や、放射状雲の立ち上がる方向」

などから震源の方向を読み取る、というものがあるようです。

なるほど、そういった雲の写真をみると、「そっち」の方向には何かが起こりそうな気配は感じます。
でも、いつも、そんな雲の写真レポートを拝見していて思うことがあります。

「そっち」の方向って、なんなんだろうか、と。
 


2 雲は動く 地震雲も動く!?

みなさん、よくご存じのように、雲は時間と共に動きます。
たった一枚の写真から、震源を類推するのには、

<時間が経過しても「地震雲」の指向する方向は「変化しない」>

という、私からすればちょっと無理のある前提のうえに立たねばなりません。

でも、地震雲研究家は、得てして「雲は動く」という常識を失っている方が少なくないようです。
だって、たった一枚の写真から「時期・場所・規模」3要素を推定しようとしている方が多いのですから。
 

 

「たまたま、ある場所からある時間に奇妙な雲をみたが、その雲が、数日後の震源方向を指していた。だから、その雲は地震雲だった」

(・・・・しかし、その雲がもし、他の普通の雲と同じく方向性が変わっていくのであれば)

「その雲は、数時間後、また数十日後の震源方向も指していた」
ということになってしまいます。

「放射状」の雲というのは、一点に「収束」してみえるまたは一点から湧いてくるように見える雲ですが、たいていは、空に平行に並んでいるものが「遠近法」によってそうみえるだけのものです。
この雲の場合は、時間によっても、それほど「収束点」は変化しないことが多くあります。

30分後、1時間後も同じ方向を示していることがはっきりしていればいいのですが、どうなのでしょうか。
もし、指向方向が変化していれば、予測方向そのものが間違いであるし、また無効になると思うのです。
 

というか、そもそも、そんな雲が地震雲なわけがない、と思うのであります。
 


3 「超」地震雲観測法

では、それが地震雲であるにはどうしたらいいか?
いよいよ、本題の核心です。

地震雲であることを証明するにはどうしたらいいか!
地震雲を信じる方々は、どのように雲と向き合えばいいか!!

それは 「観測」 です。

(1) 天体観測にみる「観測」

科学の世界では、なにかを数量的に推測するには、その原因となる事象を、なんらかのしっかりとした手法によって測定し数値化しなければいけません。

そのために行うのが 「観測」です。
厳しい意見ですが、怪しい雰囲気の雲の写真を一枚だけ撮影して「観測しました」と掲示板にアップしているコメントをみますが、それは厳密な意味の「観測」ではありません。

たとえば、天体観測における観測というのは、ただぼうっと眺めるだけではありません。それは「観望」とよぶべきです。
アマチュアの観測家(あの串田さんはその手の超ベテラン)も行っている、彗星や小惑星など太陽系の小天体の位置測定の場合(発見観測・初期確認観測など緊急の場合を除き)、
1 時間(最低でも1秒以内の精度が必要)
2 天体の精密位置・場所(角度にしてコンマ数秒〜数秒の精度で測定する)
3 観測場所(詳細な地形図でコンマ数秒の精度で測定して届け出る)
が必要です。

さらに、それらの観測から、軌道計算を行い予報位置を推算しよとすると、最低でも3つの観測が必要となってきます。
2点では直線運動しかわからず、太陽系天体のように放物軌道または楕円軌道として計算に必要なデータとしては3点以上が必要です。
(ある特定の空域にある小惑星の場合は、暫定軌道の計算に限って、太陽からの距離を適当に仮定したうえで、2点からでも行うことが可能です。)
むずかしくなってきましたが、つまり空間的に運動する物体から、何かを推定するには、正確な「観測」と「三角測量」の原理と同じような幾何学的な計算が必要となってくるわけです。

(2) 地震雲もしっかり「観測」を

さて、地震雲を「観測」するというのはそれほど厳密ではないと思いますが、最低でも
1 時間(数分以内)
2 方位角(数度のオーダー)
そして
3 仰角(数度のオーダー)
の測定は必要でしょう。

風が強くて雲の流れが早いときなどは、時間にして1分以内、角度にして2〜3度程度以内の精度が求められるかもしれません。
それを時間間隔を置いて2回以上行って初めて「観測」といえると思います。

これによっても、もし「帯状・筋状の雲の指し示す方向」「断層状の雲の断面の方向」「波状雲の指し示す方向」
「竜巻雲や、放射状雲の立ち上がる方向」などが変化していなければ、地震雲である可能性が否定できなくなります。

ただし、本当に測定した方向は正しいですか?
本来は、三角測量の原理で、ある程度離れた2カ所でほぼ同時刻に同じ手法で行うことが望ましいのですが、「同じ雲や同じグループの雲は同じ高度を浮かんでいる」という前提が正ししければ、部屋の中で平行に並んでいる蛍光管の方向を定規とコンパスで測るのと同じ方法で、雲の方向を「観測」できます。
しかし、それもある程度仰角の高いところにある雲でないと誤差が大きくなってしまいます。

さらに、特に「波状雲の指し示す方向」「竜巻雲や、放射状雲の立ち上がる方向」などは、一人の観測では手に負えません。
絶対に複数観測地点での同時観測、または衛星画像による複数時間の継続測定が必要になってきます。

それらが地震雲であるということに説得力を持たせるならば、「複数観測地点での同時観測」を行い、波状雲・放射状雲が一点から放射されている事実、竜巻雲が地面から垂直に立ち上がっている事実を見いださないといけません。

 

(3)簡単にできる地震雲観測法

さきほど、雲の方向は、蛍光管の方向を定規とコンパスで測るのと同じ方法で「観測」できます、と書きました。方法を紹介しましょう。

@要領・練習編

 部屋の中で、天井の縁や、なるべく長い蛍光管、カーテンレールなどをさかします。
それらは、床面に対して平行でないといけません、
また、なるべく仰角の高い(つまり高いところのもの)蛍光管を選びます。
雲も、天井の縁も蛍光管も、仰角の低いところのものは角度をうまく測れません。

 長い定規を用意します。私は、大きな三角定規を使っています。

 定規は、あくまでも床と平行になるよう注意しながら持ち上げます。地面に対して平行を保つため、糸と50円玉で「水準器」をつけました。


天井の縁と定規が平行になるように、(くどいようですが)定規は床と平行に、なおかつ、天井の縁とも同じ向きになるように、定規の方向を変えていって・・・・・・・・

 天井の縁と定規がピタッと合うと・・・・

 

 お、オオ!! あら、不思議!! 定規の方向は蛍光管の方向とピタッと合っています!!

A実践編

 上の定規に、コンパスと三脚取り付け金具をつけて、「たこちゃん式地震雲観測機」のできあがり。


 

 定規の平行を保ちながら、帯状の雲に長い定規の向きを合わせる。


 


 コンパスで、定規の方位を測定する。
このとき、周囲の金属、胸ポケットの携帯電話の影響を受けていないか、自分や車、機械等から移動させながらコンパスが安定した無機を示しているか確認する。



エ コンパスの向きはあくまでも磁北が中心。偏角(真の北と磁北の差)を補正する。
仙台の偏角はおよそ7度(沖縄で約4度、北海道で約9度)。西の方向に、コンパスの針がずれる。
だから、そのぶんを補正するには、コンパスではかった方位(東回りに360°法)で、7°減らしてやればいい。
たとえば、コンパスで測った雲の方位が、真東90°だったとしたら、その真の方位は83°となる(90-7度)。

・初稿では誤りがありました。ご指摘いただきましたクリスタルさん、ありがとうございます。
・11/21またまたクリスタルさんから誤記の指摘をいただきました。ありがとうございます。

 

雲の流れをみながら、数分後、あるいは数十分後、数時間後、再度観測して、もしそれが変化しなかったら!

 

 お、オオ!! 地震雲かも!!  時間と方位の測定値とともに、もよりの地震雲掲示板に報告しましょう。
 

4 推奨「地震雲・地震データベース」

以上は、地震雲から「場所」を推定するための一私案です。
さらに、時期や規模を推定するには、地震雲のタイプ(類型化)・目撃時期・目撃場所・地震発生日までのタイムラグ・地震規模・震源の深さ、等のデータベースが必要です。そこから、
地震雲のタイプと地震発生日までのタイムラグ、地震規模の相関性を、統計的に浮き彫りにしないといけません。
残念ながら「経験則」や「勘」のようなもので、なんとなくお茶を濁しているような地震予知は何度も目にしていますが、このような統計に基づく科学的な地震予知法、データベースに基づく「ID型地震予知」というものには出会えていません。
もし、このようなデータベースをお持ちの地震雲研究家・地震雲研究団体さんがいらっしゃれば、ぜひ公開して下さい。
必ずや、日本の地震予知発展の為になる、かもしれませんね(本当に地震雲が存在していれば、ですが)。

5 明るい未来のために

そして、わたしが地震雲研究家に提案するのは、

そうでなければ、いつまでも地震雲の存在を確認できない現実は解消されません。
地震雲を否定する気象庁や学者さんを目の敵にするより、まず、自分の目をぱっちりと開いてみませんか?
 

かんばれ、地震予知研究家!

 

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