

ナイジェリア国籍のバレンタインさんは、2003年12月9日午後7時45分、新宿歌舞伎町の路地裏にて風営法違反容疑で逮捕されました。
バレンタインさんは当時、歌舞伎町でナイトクラブのビラ配りのアルバイトをしていました。
事件当日、バレンタインさんは、いつもより少し早めに家を出て職場に向かいました。
仕事を開始するまでに時間があったので、顔見知りのナイジェリア人男性2人と、マクドナルド付近で立ち話をしていました。
その時に、私服の囮捜査官2人に店を案内してくれと声をかけられました。
まだ開店前でしたが、オーナーに連絡を取るとOKが出たので、バレンタインさんの勤めるクラブへと彼らを誘導をしたのです。
もちろん、バレンタインさんは彼らが囮捜査官だとは気付かずに取った行動です。
しかし誘導中に、バレンタインさんの背後にいた顔見知りのナイジェリア人男性から名前を呼ばれ、「リーヴ・ゼム!(彼らから離れろ!)」と叫ばれました。
この突然の絶叫に、バレンタインさんは同行していた2人の囮捜査官をヤクザか何かかと勘違いし、恐ろしくなってその絶叫した男性の方へ、つまり元来た道へ戻りました。
しかし、既にバレンタインさんの後を付けていた他の警察官らにより直ちに挟み撃ちにされ、そのうちの1人の警察官に柔道の一本技で地面に叩き付けられてしまいました。
その時バレンタインさんは頭を地面に強打し、その場に呆然と横たわったままでした。
そして2人の囮捜査官がバレンタインさんの方へ駆け寄り、首を絞めたり殴る蹴るの暴行を始め、そのうちの1人であった田名部警部補が、思いっきりバレンタインさんの右膝を踏みつけ始めたのです。
バレンタインさんは道路に頭を強打してしまいました。しかし田名部警部補の 激しい踏みつけ行為によりすぐに覚醒し、それと同時に自分の右膝の骨がパキパキと破壊される音を聞きました。
そしてその尋常ではない激痛に泣き叫びました。
その後バレンタインさんは、腰縄と手錠を付けられたまま、新宿警察署に移動させられました。
警察官達は悲痛に泣き叫ぶバレンタインさんを無視したまま暫く放置し、も懇願して、バレンタインさんが飯田橋にある東京警察病院に搬送されたのは、随分時間が経ってからでした。
バレンタインさんの奥さんが病院に駆けつけた時も、バレンタインさんは激痛に泣きじゃくっていたということから、粉砕骨折後何時間も激痛に耐えていたことになります。
そしてその挙句、田名部警部補は費用が払えなければ手術は無理だ、と奥さんに言い放ち、整形外科医からも後に電話で、警察が駄目と言うなら手術の執行は出来ないと言われました。
結局、バレンタインさんは適切な処置を施されることなく、ギブス固定による処置のみで、10日間身柄を拘束され続けていました。
その間も日に2回の取調べは行われ、バレンタインさんは拷問さながらの状況下にいたのです。
整形外科医の判断にもよりますが、一般的にはこのような患者には緊急手術が施されます。
しかしバレンタインさんは警察に拘束中されている間、怪我を負わされた右足にギプスをつけられただけでした。
釈放後に搬送された病院では手術を受けましたが、現在も歩行に支障をきたし、今後は普通に走ることなど望めません。
リハビリも一生続けねければならず、バレンタインさんは障害者手帳(5級)を保持する、身体障害者になってしまいました。