
メモ:地名をたくさん折り込んだ75調の口説で、別府市や挾間町に伝承されていたもの。
祭文や大正踊りの節で口説くほか、イレコに用いることもあったようだ。
(い)
夕べ日出からカカ貰うて 別府・浜脇通り越し 高崎山が仲立ちで
※仲立ち=仲人
田ノ浦蒲団を持って来て 白木のたんすが十二棹 かんたん枕も持って来て
※白木=地名と、箪笥の材料の白木をかけている
生石・駄ノ原通り越し 言いたいことはいろいろと ほうらい山ほどあるけんど
言うたら盛家の若い衆が あんぽんたんとばかにする ちょいとここらで沖の浜
(ろ)
今度柞原から嫁貰うて 八幡・御幸町通り越し 火王さんが仲立ちで
浜の市でたんす買い 生石で長持買って来て かんたん枕も買って来て
春日・駄ノ原通るとき 勢家辺りの若い衆に よい嫁貰うたと褒められて
着いたところが沖の浜
(は)
賀来がた辺の魚釣りは 国分煙草を腰にさげ 横瀬にゃばっちょ笠ひっかぶり
※国分=大分の地名と、鹿児島の煙草の産地「国分」をかけている
鶴田をかたげて向原 ここは行かりょか同尻の 広津留魚は食いつかれ
※かたげて=かついで
おどいおどいと鬼瀬を 通り過ぐれば池の上 池にも魚はおらんので
※おどい=怖い(おぞい、おじい)
持病の蛇口を引き起こす 柚の木でしばらく入湯して 竹の脇をば下りかけ
詰にゃけつまずいて田代まで 丸田で丸めた赤野薬 買うて来鉢の袋まで
雨の古野にゃちょいと困る 志手の坂をば下りがけ 北方辺にゃ宿をとる
※古野=「降る」にかける
馬の中尾にゃまたがりて ひとむち当つれば富永の 森の木辺までかけつけた
賀来神社にも参詣し 餅田で餅をたんと食い そこでお金も角の前
わしの白ハゲよいけれど かかの片面にゃわしゃ閉口 あまり長いのもご退屈
ここらあたりで大分か