
メモ:杵築市の高熊山に、帯刀伝照法師が建立した弘法大師像が残っている。
その弘法大師像の由来の口説である。
仏教用語が多く、意味のわからない言葉もあったため、
わかる範囲で解説を入れました。
奇妙頂礼遍照尊 現世我らを憐れみて 二世の誓願垂れ給う
※帰命頂礼遍照尊=仏様にお参りするときに唱える言葉
殊に四国の霊場は 入唐求法の御時に 天竺釈迦の高僧より
※入唐求法の音時に=天台僧である円仁が遣唐使として唐に渡ったときに
釈尊遺跡は御八塔の 霊砂授かり御帰朝し 諸人結縁させんとて
※帰朝=日本に帰る
納め御加持なし給う されば巡拝する人は 未来待たずに現世から
※加持=仏様が人々を守ること
密厳華蔵の極楽に 参りましてぞ仏智をば ひらきなされし霊験の
※密厳華蔵=大日如来様のいらっしゃる極楽浄土
仏智=仏様の智慧
霊験=ご利益
実に霊験あらたにて 昭和二年の六月に 伝照愛石霊夢にて
※霊験あらた=霊験あらたか。ご利益が著しいさま。
霊夢=仏様のお告げのあった夢路
榎本なる霊水を 薬しせよとのお告げあり 弘法大師の身心を
昭和二年の三月に 高野奥なる岩陰に 金剛定にぞ入り給う
金堅すでに絶ゆれども 遺音いよいよ新しく 今も昔も変わりなし
※いよいよ=ますます
高熊山は極楽堂 東海より西の果て 津々や浦々至るまで
※高熊山=帯刀伝照法師が高野堂を開いた、杵築市にある山。
東海〜至るまで=眺めがよく、一面を見渡せる様子。
四季の眺めも色さめて 春は花咲きまた夏は 緑若草萌え出でて
秋は八千草咲き乱れ 冬は雪見の都山 なおも御山の頂に
四国修行の御時の 大師御姿そのままを 仰ぐもいとどありがたや
※大師〜ありがたや=山頂の弘法大師像があり、ありがたいという意味。
雨の降る日も風の夜も 雪の朝も厭わずに 麻の衣に網代笠
金剛錫杖を右につき 左御手に数珠を持ち 我らにしめす偉業には
一重光明真言を 行住坐臥に唱うれば 宿障いつしか消え果てて
※行住坐臥に=常日頃から。いつも。
往生浄土に定まれる 疑念放れて真心に 大師御袖にすがりなば
いかに宿世の業病も 危難諸共身にかえて 救い給わる御仏や
※信仰の大切さを説いている。
雨露の恵みぞありがたや