
茶屋の暖簾なイロハニホヘト 嫁や娘を皆うち連れて
ぴらしゃらしゃんすに見惚れつつ 思わずまがきに抱きついて そそうな人さんじゃ
松は唐崎 矢走の帰帆 月は石山 三井寺の鐘
堅田の落雁 瀬田の橋 比良の暮雪に粟津路や 見事なものぞいな
宇治は茶所 茶は縁所 同者同行 皆引き連れて
摘み取らしゃんすに見とれつつ 思わず茶の木に抱きついて そそうなことぞいの
恋し恋しと鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を燃やすなり
我が身は蛍じゃなけれども 君ゆえ身をば燃やすなり 辛気なことぞいな
間の山ではお杉とお玉 お杉お玉の弾く三味線は
縞さん紺さん浅葱さん そこらあたりにござんせん 見事なことぞいの
可愛い勝五郎 車に乗せて 引けよ初花箱根の山に
紅葉のあるのに雪が降る さぞ寒かったでござんしょう 辛気なことぞいの
園部左エ門清水寺に 太刀を納めてその帰るさに
薄雪姫に見とれつつ 思わずまがきに抱きついて そそうなことぞいの
可愛い川辺に出る蛍虫 露に焦がれて身を燃やすなり
我が身は蛍にあらねども 君ゆえ身をば燃やすなり 辛気なことぞいの
可愛い可愛いと鳴く鹿よりも 鳴かぬ蛍が身を燃やすなり
我が身は蛍にあらねども 君ゆえ身をば燃やすなり 辛気なことぞいの