未来は自分で決めるもの――

† 序章 †


一面に広がる青い空。窓からさしこむ光。今日は晴天だ。

そんな中俺は飛び起きた。そしてふと時計に目をやると8時5分。

「遅刻だぁぁぁぁぁ!!!!!」

大急ぎで制服に着替え、鞄をつかむと階段を駆け下りた。

テーブルの上のトーストと弁当をひっつかむと

「行ってきま―す!!」

という声と共に家を出た。



俺の名前は荻原 誠(おぎわら まこと)。これでも中3だ。

俺の外見はというと…

まず髪の色は茶色(別に染めたわけではない。元からだ)で長すぎず短すぎずといったところだ。 少々はねている気もするが問題ない。

背はわりと高い方。瞳の色は黒と青だ。

そして1番の重要点は…俺はかっこいいことだ。

何を寝ぼけてるのかって?寝ぼけてなどいない。

事実俺はもてる。非常にもてる。とてつもなくもてる。

さて、外見の説明が終わったところで今の状況を説明しよう。

俺は家から徒歩20分の私立中学(中高一貫校)に通っている。中学受験は大変だったが高校受験はない。嬉しい限りだ。

さて、俺は8時15分までに学校に着かなくてはいけない。

徒歩20分という極めて近いところに家がある俺は、普通なら楽々登校できる。 そう、普通なら。

だが俺にとっては遅刻しないことは難題である。



寝坊するからだ。



ガラガラガラッ

「遅れてしませんでしたっ……ってあれ?」

いつもならここで「荻原、また遅刻か!三者面談希望なのか?」なんて言ってくる担任がいない。

とりあえず席につく。 隣りの席、俺の親友・石崎 健(いしざき けん)に聞いてみる。

「なぁ健、なんで担任いねぇんだ?」

「さぁ。よくわかんねぇよ。事故かなんかに巻き込まれたって話だけど」

事故?でも担任はたしか学校から徒歩2〜3分のとこに住んでるはずだ。 そんな短い距離で事故か。不運なものだ。

そんなことを考えていたら隣りの組の担任がやってきた。 たしか来年で定年になる、そろそろ頭がヤバイじじいだ。 「えー、このクラスの担任である鈴木先生は、出勤途中に事故にあわれた」

「ふーん。やっぱ事故なんだな」

「すぐには来れないそうなのでお休みされるそうだ。というわけで俺が代わりにHRをやる」

「何が“というわけ”なんだよ」

「それにしても不運だよな。徒歩2〜3分だっただろ?」

「ま、日頃疲れてたみたいだし、今日休んだら疲れも取れるんじゃね―か?」

俺と健は隣りの担任そっちのけでひそひそと話をする。

「こら、荻原、石崎、うるさいぞ」

俺は心のなかで“うるさいハゲ”と言ってやる。 間違っても口には出さない。あとが恐い。



時は流れて昼休み。

「もう食い終わったのか!?相変わらず食うのが早いよな、お前は」

「健が遅いだけだろ」

「しかもその後は、昼寝」

「良いじゃねーか。昼寝は最高だぞ。お前も一緒に来ないか?」

「パス。今日は部活のミーティングあるんだよ。悪いな」

「じゃ、俺またいつものとこにいるから、起こしてくれよ」

「ああ、わかった」

そう言うと俺は屋上にむかった。



俺は毎日昼飯を食った後、こうして屋上で昼寝することが日課になっている。

ちなみにラブレターをもらう確率はこの時間が最も高い。

といってもこの時間に俺の机の中もしくはロッカーの中に入れられる。

青空の下横になる、これがすごく気持ちが良い。

俺は暖かい陽射しを浴びながら、そっと目を閉じた。