ペンタックス105SDHF用・F4.1レデューサー

●製作の目的

 S2Proでの星雲・星団撮影は、ペンタックス105SDHF・F5.1直焦点で4分露出を基本としてきました。これはスーパーポラリス赤道儀でガイドずれが目立たないギリギリの長さということと、露出時間が長いほどノイズが増えるためです。
 しかし、いかんせん露出不足は否めないようで強力な処理をするとどうしてもバックや星雲の淡い部分が荒れてしまいます。

 そこでジャンク品のレンズを使ってレデューサーを自作しました。105SDHFでピントが出るギリギリまで明るくなるよう、レンズ位置を決めた結果、倍率0.62倍、焦点距離434mmでF4.13(画像から実測)となりました。元はBORG製かミザール製の0.75倍レデューサー(生産中止品)と思われますが、値段表示(600円ぐらい?)しかなかったので詳細は不明です。2001年石川町スターライトフェスティバル会場のコプティック星座館ブースで購入しました。後面が凹になっていて口径45mm、焦点距離260mmほどです。元々は小型屈折を作ろうと思って買ったんですが、星像がとても甘いのでおかしいなと思い、押入れ行きになっていたものが役に立ちました。
 
 写真下の黒い部分はペンタックスカメラマウント・ニコン用、白い部分が自作紙製(テスト段階なので未塗装です)、上にセロハンテープで固定されているのがジャンクレンズです。コバは黒マジックで塗りました。実験1回目と2回目の構成はこれとは違い、BORGのM57→M42P1ADにレンズを両面テープで直張りして2インチホルダーLに取り付けていたので、レンズ有効径が小さくなっています。2インチホルダーの外形(60mm)はペンタックスのスリーブ(60.2mm)に近いので流用ができて便利です。

●実験1回目(月明かりのある中JPEG-FINEでの撮影です)

 3024×2016サイズ画像を1/2縮小して周辺部をトリミングしています。左下が中心方向、右上が最周辺です。周辺の星像が放射状に流れています。
 このような流れは像面が湾曲しているときに起こります。105SDHFの最後のFはフラットフィールドつまり湾曲の無いフラットな像面を意味しています。それを実現しているのは3群3枚構成の3枚目のフィールドフラットナーと呼ばれるメニスカス状のレンズです。これとレデューサーで2重に湾曲補正をしているのが流れの原因と考えました。



●実験2回目(月明かりのある中JPEG-FINEでの撮影です)

 前回のテスト結果からフィールドフラットナーは不要と考えて取り外しました。副産物としてかなりの軽量化にもなりました。右写真が取り外したフラットナー部分です。レンズ径60mmほどですが、保持している金物がでかいです。105SDHFの「F」がなくなったので105SDHとでも言うべきかも知れませんが、105SDHF改と呼ぶことにします。
(03.7.10追記)
 このフラットナーは弱凹レンズのようです。レンズを通して向こう側の景色を眺めているときに気付きました。レデューサー装着時の焦点距離が計算式どおりにならないのを不思議に思っていましたが、このせいだったようです。
 計算式どおりになるようにフラットナーの拡大率を推測すると、約1.04倍になっているようです。つまりフラットナーなしでは670mmF6.4になります。ちなみに今は手元にない75EDHFは弱凸になっているように感じました。ビクセンのED114SSも弱凸(0.9倍)のフラットナーとのことです。

 今回も3024×2016サイズ画像を1/2縮小して周辺部をトリミングしています。今度は右下が中心方向、左上が最周辺です。周辺の星像が円周方向に流れています。輝星は十字に見えます。ちなみに反対側はあまり星像の乱れはありませんでした。左右で星像が異なっていたのは、テスト撮影と割り切ってのことだったので、レンズをセロテープで固定していたため、レンズのスケアリングかセンタリングがずれていたからと思います。




星像はまずまずでしたが周辺減光は右のように結構あります。
レデューサの有効径が不足の為のようです。CCDサイズが対角で約28mmと小さいので油断していましたが実際にはレンズがCCD面から80mmほど離れているので有効径を大きくしないとダメなようです。


●実験3回目(実戦投入ということで月明かり無し・CCD-RAWです。4256×2848サイズ画像を1/3縮小して周辺部をトリミングしています。)

 周辺の光量を増やすため、ペンタックスの60.2mmスリーブ内にレンズを入れる構成に変更してレンズ有効径を大きくとれるようにしました。
 レンズのスケアリング・センタリングも正確になったためか星像も左右均等になり、星像の流れは少なくなりました。厳密に見れば周辺のピントが甘い、輝星に内方向の青ハロがある(倍率の色収差?)など問題がありありですが、画像処理やトリミングでカバー可能と判断しました。



気になる周辺減光はこんな感じです。
まだまだ残っていますが、これ以上はレンズをCCD面に近づける以外に解決法はありません。明るさが犠牲になってしまうのは避けたいので、泣く泣く長辺方向をカットして縦横比3:4にトリミングすることとします。

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