ミザールTS-70
〜入門用?アクロマート屈折は使えるのか〜

(2011.11.24)

●入門向け(?)望遠鏡

 2009年暮れのあたりから気になる望遠鏡がありました。 その望遠鏡の名は、ミザールTS-70、中国製で口径7cmF4.3(f.l.= 300mm)という超短焦点アクロマート屈折、入門者向け望遠鏡とされていますが、最高倍率150倍!と無意味な高倍率を謳う初心者にとっては「買ってはいけない望遠鏡」のひとつです。  三脚、アイピース2本(F-12.5mm、F-6mm)、天頂ミラー、地上用レンズ等々のセット価格4,362円(税抜)で2010年8月に新品を購入しました。
 購入理由は以下の2点です。

●改造

 もちろんそのままでは使えないのは明らかです。そこで以下のような改造を施しました。
1.鏡筒内遮光環の撤去
 ノーマル状態では鏡筒内遮光環やドローチューブ内遮光環の内径が狭く、ケラレが発生するため有効径40mm程度になってしまいます。そこで遮光環は撤去しました。
鏡筒内の遮光環ドローチューブ内の遮光環

2.接眼部の交換
 ノーマルの接眼部では一眼レフカメラの装着は不可能です。そこでボーグM60延長筒Lに厚紙製スペーサーをかぶせて鏡筒に圧入、ボーグのM57ヘリコイドDXを装着しています。

3.レンズセパレーターの交換
 対物レンズを分離しているセパレーターが樹脂製リングのため、2枚のレンズ間隔が傾きやすく実写では片側だけコマ収差が目立っていました。 そこでアルミテープを細かく切ったものを4層ほど重ねて3箇所に貼ってレンズを分離するようにしました。レンズ間隔は試写して調整しました。ちなみにプラスチック製の押さえを回すとレンズを外すことができます。

4.鏡筒及びフードの塗装
 イメージ一新のため白色メインに塗装しました。


5.鏡筒内に植毛紙を貼る(予定) 

●試写結果

 実写から求めた焦点距離は、レデューサー併用で250mmでした。レンズ有効径は実測で69mmと1mm小さかったので、Fは3.6となります。
 下記画像はノーフィルターで撮影し、コンポジット・ビニングとレベル調整だけの画像処理ですので、星像の目安になると思います。レデューサーでの補正が効いて周辺像は良好のようです。 青ハロは個人的に許容範囲ですが、赤ハロは目障りですので、他ページで掲載している画像は画像処理で目立たなくしています。
(クリックすると別ウィンドウ・タブで拡大画像を表示します)
m31-s.jpg(16742 byte) m45-s.jpg(13165 byte) orion-s.jpg(12002 byte)

共通データ ・30秒露出×4枚コンポジット
・EOS Kiss X3 RAW(ISO6400)、4×4ソフトビニング、ステライメージ6にて画像処理
・高橋製作所EM-200B赤道儀にて自動追尾(ノータッチガイド)
・撮影地:自宅観測室

●まとめ
 星像のシャープさではEDやSD、フローライト鏡筒に及ばないのは当然ですが、Fが明るいので露出時間が短くて済み、気楽かつ安価に撮影を楽しめます。
 また、付属アイピースはハイゲンの簡略版(両凸)なのでいまいちですが、プローセルクラスのアイピースで低倍率で使うと、なかなかの見え味でお気軽観望にも好適です。
 ということで、改造が必要なので初心者にはお勧めできませんが、特性を理解したうえで使う分には楽しめる望遠鏡だと思います。ただし、BORGのヘリコイドが高価なのが難点ですね。

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