VC200L用レデューサーの自作
〜クローズアップレンズ利用のお手軽工作〜

(最終更新:2017.2.4)


 ビクセンVC200L(通称バイザック)は口径20cm F9のカタディオプトリック式のフォトビジュアル望遠鏡です。純正のレデューサーでF6.4になりますが、私は持っておらず、代わりにペンタックスSDHF・EDHF用のリアコンを流用してF6.5にしていました。ただし、それでも明るさが足りなく感じます。Fが5程度になるレデューサーがあれば良いのですが、市販品では存在しないので自作することとしました。
 自作とはいっても市販品の流用です。今までも先人の方々によりニュートン反射や屈折望遠鏡でレデューサーとしての実績が豊富な、ケンコーのACクロースアップレンズを使います。
 フラットフィールドなバイザックとの相性が気になりますが、AC3+AC5の組み合わせは、ひろのまきば天文台の51cmカセグレン焦点(F12)での0.5×レデューサーで好結果を得ていましたので(ただしAPS-Cですが)、全く見込みがないわけではありませんでした。
 バイザックでも最初にAC3+AC5を試してみましたが、周辺像が放射状に伸びるのと、ゴーストが気になるので、別の組み合わせを試してみることにしました。

(↓AC3+AC5のゴーストの様子はこちら、903mm 4.5⇒1350mm相当にトリミングです。)


左からキヤノン用Tリング、AC2+AC4(49mm)、AC2(52mm)です。
Tリングの内側には隙間を埋めるために紙とアルミテープを貼っています。

上がAC2(49mm)、下がAC4(49mm)です。塗装が剥げているように見えるのは、2インチスリーブに入るようヤスリで削ったためです。
また、AC4のネジ部分もヤスリ掛けしてねじ山をつぶしてあります。こうしないとTリングに収めた際、Tリングの段差と干渉してしまって位置が安定せず、スケアリングがずれるためです。
※その後の検証でAC4は球面収差が多いため、星像が肥大することが分かりました。そこでAC4の代わりにAC5を使うことにしました。


TリングにAC2+AC4(49mm)を収めた様子です。

その上にAC2(52mm)を付けますが、52mm径のクローズアップレンズは2インチより大きいので、ステップアップリングを介して2インチスリーブの内側に付くようにします。

横から見た様子です。
なぜこんな面倒なことをするかというと、たまたま以前からAC2(52mm)を持っていたのと、周辺光量を稼ぐためです。
AC2(49mm)とAC4(49mm)は、今回のために新規購入しています。

以下作例は撮影日・画像ファイル形式の違いや、ホワイトバランスの違い、月明かりの有無のため、色調・明るさが合わないことはご容赦ください。
キヤノンEOS6D リサイズのみ、ノートリミングです。


AC2+AC5、1082mm F5.4
AC4は球面収差が多いらしく、星像が甘くなっていたようです。そこでAC5をメインで使うことにしました。


AC3+AC5、965mmF4.8
以前と同じ組み合わせですが、AC4と同じくAC5の雄ネジを削り取ってTリングに取り付けるようにしたので、レンズとCMOS間の距離が縮まって縮小率が下がり、F4.5→F4.8になりました。


AC2+AC2+AC5、837mmF4.2


AC2+AC2+AC5、949mmF4.75
周辺像はAC3+AC5より少し良好ですが、ゴースト耐性は遥かに勝ります。
→中間星像が肥大しているのはAC4の球面収差が多いためのようです。


AC3+AC5、903mmF4.5
改めて見ると最周辺以外の星像はこちらの方がシャープですね。明るい星が写野にない場合(ゴーストが出ない)はこちらの方が良いかもしれません。


AC5+AC4、828mmF4.14
別な組み合わせで、さらに明るくすることもできます。
イメージサークルは狭くなりますが、周辺像はそれほど変わりません。
※スケアリング対策をする前なので周辺像が一部悪化しています。


AC5+AC4、855mmF4.28
スケアリング対策後で焦点距離が若干伸びました。

AC5のみ使用、1268mmF6.34
純正レデューサーとほぼ同じ縮小率です。
AC5のみでは2インチスリーブで保持できないので、レンズを抜いたAC3の枠をAC5に付けています。


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