『ひきこもり――
ただいま冬眠中』
高橋和枝・月乃光司
田原和隆・Kacco
新潟日報事業社
2003年9月6日発行
本体1400円+税
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高橋和枝
■小学生の時、不登校になり、卒業後両親が離婚。
中学生の時、再び不登校になり「ひきこもり」に。
中学卒業後、就職。通信制高校を卒業。
21歳から、心理学を学び、現在、カウンセリングやフリースペース「スプーンフィールド」を開設している。
月乃光司
■高校の時、不登校に。
20歳の時、精神科に通院。ひきこもり生活は通算4年を超し、24歳頃よりアルコール依存症に。
27歳から酒を飲まない生き方を続け、小説「窓の外は青」を出版。
新潟日報に「心晴れたり曇ったり」を連載。
田原和隆
■高校2年の時、不登校になり退学。以後6年半の間「ひきこもり」生活をおくる。
病院への入院をきっかけとして「ひきこもり」を脱出。
2002年、イベント「不登校しゃべり場クラブ」に出演。
現在、ひきこもりサポート団体「メンタルフレンドにいがた」で活動中。
Kacco
■三条市にアトリエを構えるイラストレーター。
28歳の時、躁鬱病・摂食障害と診断され入院。
5年間の「ひきこもり」生活をおくる。自殺未遂3回。
イラストをきっかけとして「ひきこもり」生活を脱出。
現在は講演会や似顔絵ライブなどでも活躍中。 |
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「ひきこもり―― ただいま冬眠中」
はじめに
この本は、平成15年3月に新潟県内のFM局で放送された「ひきこもりラジオ ただいま冬眠中!!」を加筆・訂正してまとめたものです。
毎週金曜日の午前4時に、1時間番組として全4回、放送されました。
現在、社会で活躍する「元ひきこもり」の4人が、「どうしてひきこもりになったのか」「ひきこもり中のエピソード」「ひきこもりから脱出したきっかけ」「これからの未来について」をテーマにして、ざっくばらんにトークを行った内容です。
午前4時という、少し変わった時間帯の放送でしたが、昼夜逆転している現在ひきこもり中の方々には、一番聴きやすい時間ではなかっただろうか、と思っています。
出演者全員がひきこもり体験者で、リスナーも現在ひきこもり中の方々を特定した、かなり特異な番組となりました。
「ひきこもりのひきこもりによるひきこもりのための番組」をキャッチフレーズと決めて、出演者は恥ずかしがらずに自分の過去を徹底的に赤裸々に話そう、と打ち合わせを行いました。そして、暗くなりがちの内容ですが、人生賛歌の意味を込めて明るく楽しい放送にしよう、と心がけました。
「ひきこもり」以外にも、「アルコール依存症」「不登校」「過食症」「拒食症」「対人恐怖症」「「醜形恐怖症」「うつ」「多発性硬化症」「パニック障害」「リストカット」など、ある意味、現代を映している病気のトークも含まれています。
出演している4人は、年齢も性別も人間としてのタイプも違いますが、1つだけ共通していることは、自分の「ひきこもり」や「病気』の体験を、すべて自分にとって必要な時間だった、と受け入れていることです。「ひきこもり」だったことは、自分の恥ずべき過去ではなく、これから生きていく上での通過点だったと認めているのです。
タイトルの「ひきこもり ただいま冬眠中」はこれから春を迎えて、活動を始めるための必要な充電期間なのだ、という意味なのです。
この本をきっかけとして現在ひきこもり中の方々が、第一歩を踏み出してくれることを、出演者全員が祈っております。
平成15年 6月20日
月乃光司
あとがき
疲れた……。搾り出すような時間がやっと終わった。過去の出来事を文章にすることが、これほど大変なことだとは思わなかった。私を含め、4人の「ひきこもり」たちの過去を、ラジオをとおして語り、それを補足する形で個々に文章を書き足したわけだが、改めて振り返ると長いようで、短いようで、でもやっぱり長かった。
原稿を書き終えると、不思議な充実感と新しい課題が残った。私たちの「ひきこもり」活動は昔のことになったけれど、苦しんだ分だけのモノが胸の奥に「でんっ」と根を張っている。
この面倒な世の中で、答えはひとつってわけじゃないけれど、私たちが間違いなく言えることは、「ひきこもる」ことも答えの一つだってこと。それは人より「遠回り」に思えるけど、誰も「遠回り」しようと思っている人なんていない。みんな「近道」したいの。
一つのことを終わらせたけど、たくさんのことは手付かず。欲張って、あれこれ手をつけても、結局一つひとつ、ていねいにやらないと片付かないと改めて感じた。
・一つのことを、ていねいに。
・悩むことも、ていねいに。
・のんびりも、ていねいに。
・自分を見ることも、ていねいに。
本当に大事なのは「どれだけ正しいか」じゃなくて、「どれだけ正直」なのにね。
年齢も性別も違う4人が、自分の過去をラジオで話すことやにする、その一つひとつのささやかな偶然は、私たちにとって出合うべくして出合った必然だったのだろう。
そんなことをあまり信じてこなかったけど、この本が確かなものにしてくれた。不器用で、臆病で、頭でっかちな私が、人と人と繋がっていきたいと思った。今まであまりしてこなかった。それが新しい課題のひとつ。この4人の思いが、誰かの心に届いてくれたら。
そこから生まれる、まだ見ぬ出会いを思うと、胸がワクワクして仕方がない。
高橋和枝
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