| 「こわれ者の叫び」汗と涙のCD録音
男たちの汗と涙の13時間の作業が実を結んだ。汗と涙のほかによだれと鼻水も出た。
6月28日、念願のCDの録音を行った。精神障害者のトークイベント「こわれ者の祭典」で行われるパフォーマンスが、CD化の運びとなった。「ノイローゼ自慢」の木林おず君(28歳)の弾き語りと、「アルコール依存症・引きこもり自慢」の月乃光司(中年)の詩の絶叫朗読が収録される。
朝9時に白根市のスタジオに集合。スタジオの終了時間の夜10時までに全6曲を録音する予定だ。スタッフとして、40代前半、ひげの似合うエンジニアのNさんと、20代後半、一見予備校生風のプロデューサーのWさんが参加してくださった。男4人が狭いスタジオにこもっての、むさくるしい作業となった。
この日は蒸し暑く、録音が始まると、すぐに汗ばんできた。僕は風邪気味のために、鼻水が止まらない状態だった。
ギター伴奏、歌、コーラス、個々の音を順を追って録音していくためにかなりの時間がかかる。どういうわけか、録音機材が時々、動かなくなり、作業が中断する。もう駄目だから中止しようと思うと、なぜか再び機材が動きだす。とんだ「こわれ者」の機材なのだ。夜10時までに終わらなければならず、気が焦る。しかし、作業が中断している間、4人でいろいろな話ができた。Wさんはうつ症状のため、抗うつ剤を服用した経験があり、またNさんも不眠症に苦しんだ経験があるとのことだ。おず君は強迫神経症に悩まされた過去がある。苦しんだ過去がある人は、僕にとって「仲間」だ。「仲間」と一緒に一つものを作れること、それは大きな喜びだ。
ヘッドホンで、おず君の長年の劣等感からくる怨念のこもったギターの伴奏を聞きながら、僕は詩を思いっきり叫んだ。感極まった僕の目から涙が少し出た。マイクを見ると、飛び散った僕のよだれと鼻水がくっついていた。とにかく、いろんな液体を分泌した日だった。
スタジオの終了時間ギリギリの夜9時50分に録音は終わった。
月乃光司
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