愛している、誰よりも 「おじさん誰?」 少年は純粋なまなざしで俺を見つめ言った。 「おじさん?おじさんはねぇ…」 ココから答えられなくなった。 数年前に離婚した俺は、アパートを借りて工場で働いていた。 離婚した妻から電話が来た。 「あなた?ちょっと、来てくれる?」 俺は、何も知らず妻の住む元自宅に行った。 元自宅に着くと、どうせ金の事だろうと思いながら中に入っていった。 リビングに入ると、妻は赤ん坊を抱いていた。 「分かれた後に生まれたの、正真正銘あなたの息子よ…」 俺は、しばらく黙った。 分かれた理由が俺の浮気だったからな。 「名前は…?」 「公哉よ」 俺はまた黙って息子を見つめた。 分かれた後に生まれるなんて…。 自分を責めていたのだろう、5分ぐらい黙って息子の髪をなでていた。 「養育費は払っていく、俺には会わないほうがいいだろう」 妻は泣きそうな顔で 「1ヶ月に一回は会ってやって、分かれたとはいえあなたの息子なんだから…」 俺は、頷き元自宅を後にした。 「一ヶ月に一回か…」 息子は、公哉はこんな俺でも「父さん」と呼んでくれるのだろうか。 離婚をしてからは、自分を責め、苦しめ、痛めつけた。 自分が悪い。 今更遅い。 やったことには落とし前が必要だ。 俺は、がむしゃらに働いた。 公哉の為に。 生まれて5年が過ぎただろうか、公哉は幼稚園だ。 「お母さん!おじさん居るよ!早く早く!」 おじさん…。無理も無い、1ヶ月に一回だからな。 「おー!公哉!久しぶりだな!さー!今日は何処に行く?!」 妻は、再婚した。 もうすぐ二人目が産まれる。 「どうだ?二人目だろう?」 妻は少々困りながら笑った。 「じゃ、行ってくるよ」 俺は動物園に連れて行った。 「おー!ライオンだ!かっこいー!」 はしゃぐ公哉を俺はずっと見つめていた。 楽しい時間はあっというまに過ぎていった。 帰りの元自宅付近で公哉は言った。 「おじさんって」 「ん?」 「お母さんのお友達?」 小さな瞳は俺を見つめて言った。 「そうだよ、おじさんは、公哉のお父さんよりも公哉のことが大好きなんだぞ!」 俺は公哉を抱きしめた。 涙が出てきて、視界は崩れていった。 「おじさん、何で泣いてるの?」 俺は何も言えなかった。
うぬぅ、とりあえずテーマは「父と子」 なんですが…。むづかしい…。
